コロナ感染も以前に比べると落ち着き、この秋は各地でイベントやお祭りが開催されるようになりました。
今回は 国指定重要無形文化財に指定されている「御松囃子能」について、営業主任の吉田がお伝えします。
御松囃子能は約650年前に菊池市にお出でになられた後醍醐天皇の皇子、懐良(かねなが)親王のためにお正月の祝いとして守山城内(現在の菊池神社)で行われたのが始まりといわれています。
以来現在に至るまで地元の「松囃子能保存会」の皆さんにより引き継がれています。
毎年10月13日の菊池神社秋の例大祭の時に、菊池高校前の能場で演じられています。
松囃子能は舞人(まいびと)1名、大鼓(おおつづみ)2名、太鼓1名の囃子方(はやしかた)と不定数の地方(じかた)という音楽を受け持つ人々、後見1名により演じられます。
舞の振りが古風であり、謡(うたい)という歌唱も素朴な要素をとどめており、
能の変遷過程を知るうえで大変貴重なものになっています。
【松囃子能】
次に松囃子能に関するトリビアを松囃子能は能を披露するだけでなく、蓬莱三方(ほうらいさんぽう)をお供えします
【蓬莱三方】
松囃子能は元々正月の祝言の意味合いで始められていて、松囃子能の舞台に写真のような蓬莱三方がお供えされます。
松囃子能の勢利婦の中にも出てくる鶴や亀を、米やミョウガ、椎茸を使ってかたどっています。
縁起物です。
松囃子能の冒頭に舞人が祝言【勢利婦(せりふ)】を申し上げます。
天下泰平 国家安穏 武運長久 息災延命 弓は袋に入れ 剣は箱に納め 我が朝にては 延喜の帝の御代ともいいつべし もろこしにて堯舜の御代ともいえり。
千年丹頂の鶴 万歳緑毛の亀 めでたき御代にて御座候、毎年御嘉例の松をはやし申そう。
【菊池神社の標石】
菊池神社の参拝所に冒頭のセリフがあります。
一ノ松 ニノ松 三ノ松
舞台への通路を橋がかりと言います。
花道のことです。
その橋がかりに大中小の松が飾られています。
舞台に近い方が高く大きく、一ノ松、二ノ松、三ノ松と言います。
私、吉田は5年前より松囃子能保存会にて活動いたしております。
また、昨年より能の仕舞も披露させていただいております。
地域にねざした活動をいたしておりますので、お披露目の機会がございましたよろしくお願いいたします。
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