2024.07.24
【飲食業の経営リスク】
新人の森上翔太です。
業種別の経営リスクシリーズとして、
本日は飲食業の経営リスクについてお伝えします。
家族団らん、友達との楽しい時間、職場の仲間との懇親・・・
心と心を通わせる場のひとつとして「飲食店」があります。
皆さんも行きつけやお気に入りの「ご飯屋さん」や「カフェ」などあるのではないでしょうか?
最近は、お洒落な雰囲気や名物料理など、そこでしか味わえない「独自性」のあるお店が人気のようです。
また、弊社のある菊池郡市は国内でも上位の人口増加率を誇り、同時に飲食店の需要も高まっています。
私たちの交流の場を提供していただいている飲食業の皆さん。
競争が激しく不安定な飲食業界には様々なリスクが存在します。
業務中の事故リスク
自然災害のリスク
雇用に関するリスク
顧客とのトラブルリスク
物価上昇のリスク
以上のようなリスクが存在すると考えられます。
それではそれぞれのリスクの要因と対策を考えてみたいと思います。
業務中の事故リスク
当たり前ですが、飲食業では調理したものを提供し、お客様のお口へと運ばれます。
また、ほとんどのお店が顧客の来店する店舗型が多いのではないでしょうか。
業務中の事故リスクの例としては
・食中毒により顧客が入院した
・床が濡れており、顧客が転倒しケガを負った
・食事を運ぶ際に、誤って食事をこぼし顧客の衣類を汚した
・厨房のガス器具が爆発し、近隣の住宅や店舗に被害が発生した
などが考えられます。
故意ではなくても、気を付けていても起きてしまうのが事故です。
起きてしまった場合には、多額の賠償責任を負うこととなり、経営に大きな影響が出ることが懸念されます。
対策としては、従業員への教育、食中毒防止のルール遵守、施設や備品の保全・点検などが挙げられます。
また、賠償責任に対する対策としては、賠償責任保険への加入や、内部留保(引当金)の準備が必要です。
自然災害のリスク
近年、異常気象による大雨や洪水、竜巻を含む突風の増加や、地震の被害や南海トラフ地震の予測などの自然災害のリスクが多く顕在します。
自然災害は場所と時間を選ばず、私たちに襲い掛かってきます。
自然災害のリスクの例としては
・大雨により店舗が浸水し商品が汚損した
・落雷により冷蔵庫が損傷した
・地震により建物が損壊した
・自然災害の影響で売り上げが減少した
などが考えられます。
自然災害に対しては、「自助・共助・公助」を基本とした防災対策が必要です。
また、建物・設備や借用不動産や商品などの財産に対する補償や、休業損害に対する補償を備えるという対策があります。
また内部留保やBCP(事業継続計画)の策定も一つの対策です。
雇用に関するリスク
ここ最近では、人材不足はどの業種も課題として挙がるのではないでしょうか。
優秀な人材や若い人材の確保のためにも、「やりがいのある職場づくり」や福利厚生の充実、退職金制度の整備などの対策が考えられます。
また、雇用に関してはハラスメントも課題となっており、雇用する側のリスクが大きくなっています。
企業が加入できる保険商品の中には、ハラスメントでの訴訟・賠償の補償ができるものもあります。
この機会に見直してみられてはいかがでしょうか。
顧客とのトラブルリスク
人と人とが接する飲食業では是が非でも避けたい「お客様とのトラブル」。
ただ予期せぬトラブルが生まれることも少なくないのではないでしょうか。
最近ではSNSへ投稿するための迷惑動画撮影や、口コミを通しての嫌がらせなどの現代ならではのトラブルや、以前からあった度を越えて謝罪などを執拗に求める「カスタマーハラスメント」など、リスクと隣り合わせではないでしょうか。
このことについては予防のための対策はなかなか厳しいと思われます。
起きてしまった後の対策としては、訴訟などの費用を補償してくれる保険や、休業を余儀なくされた場合の休業損害の保険などの準備が考えられます。
物価上昇のリスク
「物価上昇」最近ではトレンドのワードになっていますね。
世界の情勢で大きく動く物価ですが、なかなか予見が難しいものです。
物価高騰によるお店のサービスに価格転嫁をすることに、頭を抱えられている経営者の方も少なくないのではないでしょうか。
物価上昇の対策としては、物価上昇を見据えた中・長期の経営計画の策定をすること、また急激な物価上昇に備えての内部留保や資産運用などが挙げられます。
以上、飲食業の経営に関するリスクについてでした。
飲食店の皆さん、これからも私たちの団らんの場と胃袋をよろしくお願いいたします。
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