【製造業のリスク】

2024.06.18

【製造業のリスク】

専務の岡本秀樹です。

業種別の経営リスク第2回目として

本日は製造業のリスクについてお伝えします。

 

働き方改革が急速に進行する背景の一つに労働人口の減少があります。

そのため国の政策も含めて現在さまざまな業務効率化や生産性向上を目的としたアイデアやサービスが生まれています。

身近なところで、ファミリーレストランでも配膳にロボットを導入したり、会計がセルフレジになったりと、ロボットや機械で人出不足をカバーしています。

 

熊本県菊陽町に、世界的な半導体メーカーであるTSMC(台湾積体電路製造)の新工場が設立されたことにより、熊本県北部の経済に大きな影響が出始めています。

人件費の高騰とそれに伴う地元製造業の人材不足です。TSMCの工場は、半導体の生産拠点として大きな雇用機会を創出しており、特に若年層や専門技術を持つ人材がTSMCに流れることで、地域の中小企業や製造業では人材確保が難しくなってきています。

これにより、地元の製造業者は、労働力の維持が困難になり、従来の業務運営に支障をきたす恐れが出てきています。

人材不足が深刻と言われる製造業は、全産業の中でも特に労働災害事故が多い業界です。

そんな製造業には以下のリスクが想定されます。

 

1 財産のリスク

2 休業のリスク

3 賠償責任リスク

4 労働災害リスク

 

 

1 財産のリスク

 

火災や爆発 

製造設備や倉庫、在庫などが火災や爆発によって損傷を受ける可能性があります。

天候条件 

自然災害や気象条件により、建物や財産が損傷を受ける可能性があります。例えば、洪水、台風、地などが挙げられます。

盗難や不正アクセス

不正侵入や盗難、破壊行為により、財産が損害を受ける可能性があります。

機械の故障 

生産機械や設備の故障や不良により、生産プロセスが中断されたり、財産が損傷を受ける可能性があります。

 

財産リスクは企業にとって重要なリスクであり、これらのリスクに備えるためには、適切なビジネス保険を検討することが重要です。

また、予防策や安全対策の実施も重要です。

例えば、火災警報システムの設置、防犯カメラの導入、定期的な点検と保守などが含まれます。

 

財産補償について⇀

 

 

 

2 休業のリスク

 

需要の変動

製造業は市場の需要に大きく依存しており、需要が急激に減少した場合、生産設備を停止せざるを得なくなるリスクがあります。

需要の不安定さは特に消費財や季節商品の製造業に影響を与えやすいです。

サプライチェーンの問題

部品や原材料の供給が途絶えたり、遅延したりすると、製造が滞る可能性があります。

特にグローバルなサプライチェーンでは、国際的な政治的、経済的な問題が影響を与えることがあります。

労働問題

労働争議や労働者のストライキ、労働条件の改善要求などが発生すると、生産ラインが停止する可能性があります。

自然災害

自然災害(地震、洪水、台風など)は製造業に大きな影響を与えることがあり、施設の損傷や停電、交通の混乱などが生産停止につながる場合があります。

技術的な問題

生産設備の故障や技術的な不具合が発生した場合、修理や保守のための時間が必要となり、生産が一時停止することがあります。

 

これらのリスクに対処するためには、事前のリスク管理や予測、そして適切な対策が必要です。

例えば、予備部品の在庫管理や代替サプライヤーの確保、災害対策の策定などが考慮されます。

また、迅速な対応と柔軟性を持った組織体制を整えることも重要です。

 

休業補償について⇀

 

 

3 賠償責任リスク

 

製品の欠陥

製造業者が製品を設計、製造、販売する際に欠陥があったり、不適切な警告や説明があったりした場合、製品が事故や損害を引き起こす可能性があります。

過失

製造業者や関連する従業員が過失や不注意により、第三者に損害を与えた場合、賠償責任が発生する可能性があります。

不正行為

製造業者が法律や規制に違反したり、消費者を欺いたりした場合、賠償責任が発生する可能性があります。

環境への影響

製品の製造や使用により、環境への影響や汚染が発生した場合、賠償責任が発生する可能性があります。

 

賠償責任リスクは、企業にとって重大なリスクであり、損害賠償の費用だけでなく、訴訟費用や製品の回収費用なども含まれることがあります。

企業はこのリスクに備えるために、賠償責任保険を含む適切なビジネス保険を検討し、リスク管理戦略を策定する必要があります。

 

賠償責任保険について⇀

 

 

 

4 労働災害リスク

 

労働災害リスクとは、労働者が職場で負傷したり、疾病に罹患したりするリスクを指します。

 

作業環境の危険性

労働者が作業する環境には、物理的な危険や化学物質、有害な物質、騒音、振動などが含まれる場合があります。これらの要因は、事故や健康上の問題を引き起こす可能性があります。

労働装置や機械の使用

機械の誤作動や不適切な使用、安全対策の不備により、労働者が負傷するリスクが高まります。

作業の性質

作業が高度に体力を要求する、高いストレスや精神的な負担がかかる、長時間の労働などは、労働者の健康や安全に悪影響を与える可能性があります。

人為的ミスや無知

労働者の安全意識の欠如や訓練不足、不注意や無知により、労働災害のリスクが高まります。

労働法規制の違反

労働法や安全基準に適合していない場合、労働者がリスクに晒され、事故や負傷の可能性が高まります。

 

これらの要因が組み合わさると、労働災害のリスクが高まります。

企業は労働災害リスクを最小限に抑えるために、適切な安全対策を講じることが重要です。

これには、適切な訓練、安全な作業環境の提供、労働法規制の遵守、リスク評価と管理などが含まれます。

 

労働災害の補償について⇀

 

 

 

 

 

このほかにも下記のリスクも存在します。

原材料の価格変動

製造業は多くの場合、原材料を使用します。原材料の価格が急激に変動すると、製品の生産コストに大きな影響を与える可能性があります。

競争

製造業は激しい競争の中にあります。競合他社の新製品や価格競争が企業の収益を圧迫する可能性があります。

規制の変更

政府の規制や法律が変更されると、製造業に影響を及ぼす可能性があります。特に環境規制や労働規制の変更は、企業に新たなコンプライアンスの負担を強いることがあります。

これらは一般的なリスクですが、製造業の種類や規模によって異なります。企業はこれらのリスクに対処するために、リスク管理戦略を策定し、十分な対策を講じることが重要になってきます。

 

以上、製造業で考えられるリスクについてお伝えしました。

 

日本の人口減はこれからも続くことが予想されます。企業を取り巻く環境は年々厳しくなっていますが、リスクをカバーできる保険も多数存在しています。

 

 

上記内容の対策でご相談がありましたらいつでも弊社までご連絡お待ちしています。

 

 

 

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