企業インタビューとして、
今回は、60年以上続く会社の“次”を担う後継者との対談

株式会社熊本経営コンサルタントの後継者の別當優輝さんにインタビューをさせていただきました。
別當さんは、熊本県中小企業家同友会中央支部2025年度支部長を務めるなど社外でもご活躍されている方です。

聞き手:岡本(想いをつなぐ事業承継 代表)
話し手:別當優輝さん(㈱熊本経営コンサルタント次期後継者)

 

「事務員を雇う」より「外注する」時代、そしてAIの活用へ


【岡本】:今日はお時間いただきありがとうございます。まず、別當さんの会社って、どんなお仕事をされているんですか?
【別當】:仕事としては、記帳代行や会計入力、決算業務の手前までのバックオフィス業務、そして損害保険、生命保険をやっています。会計支援業務は税理士さんに渡すところまでですね。昔は病院の開業支援もしていて、土地探しや建築設計の相談までやっていたみたいなんですけど、現社長が代表になったタイミングで記帳代行などのバックオフィス+保険代理店という形に寄せてきました。
【岡本】:今、会社として伸ばしている方向性ってありますか?
【別當】:ここ2〜3年で、記帳代行って“バックオフィスの一部”じゃないですか。そこから派生して、請求書発行などの事務代行とか、社内に事務員さんがいないと回らない業務の代行を少しずつ広げています。
【岡本】:確かに、現場仕事が忙しい会社ほど事務業務が回らないですもんね。
【別當】:そうなんですよ。特に一人親方さんとか、2〜3人で現場を回している建設業の方は、「現場→帰って見積→レシート溜まってる」って状態が多い。でも、建設業の方はお忙しいから、「大変だけど大事な事だから任せたい」ってニーズが強いんですよね。
【岡本】:事務員さんを雇うと、月20万〜25万+社会保険…ってなりますもんね。
【別當】:今は社会保険に入らない方が難しいので、パートさんでも月12〜13万は見ておかないといけない。それなら外注で任せてもらった方が、会社側もコストが読みやすいし、外注費として処理できるメリットもあります。

【岡本】:AIは使ってます?
【別當】:使っています。基本スタンスは「手をかけない・お金をかけない」。ExcelやGoogleの無料ツール、チャットGPTも使って、省力化できるところを探してます。中小企業のネックって、結局「お金も人も足りない」なので。
【岡本】:それでも“人が要らない”にはならないですよね。
【別當】:そうなんです。AI研修でも言われましたけど、技術を使える人は結局必要で、その人はどこかにいる。だから、人が必要な部分と誰でもできる作業に落とす部分を振り分けていくのが大事だと思います。

 

事業承継は「急に来る」――別當さんの会社も、岡本も


【岡本】:別當さんは何年くらい会社で働かれているんですか?
【別當】:13年くらいです。大学卒業と同時に入って、熊本に戻ったタイミングですね。大学3〜4年の頃、当時社長だった祖母が脳梗塞で倒れて、母が急遽引き継ぐ形になりました。
【岡本】:急な事業承継だったんですね…。実は僕も、父が7年前に急逝して、予定していない形で代表になりました。事業承継って、計画していても、急に来ることがある。
【別當】:そういう意味では、母の時が急だったので、私の代はできるだけスムーズに計画的にしたいんです。母も「体力的にきつい」って言っていて、負担の少ない立場に早くさせてあげたい気持ちもあります。

【岡本】:承継の時期は決まっているんですか?
【別當】:はっきりは決まってないですが、母と話していて、2年以内にはしたいと思っています。今期の決算が終わったら役職をつけて、来期の決算が終わった次の期…くらいがスムーズかなと。

 

承継で一番悩むのは「人」と「仕組み」


【岡本】:これからの課題は何ですか?
【別當】:今、事務代行を広げている中で、お客様から仕事をいただくのはいいんですけど、うちが事務員を雇って“1社分の事務”をやっていたら意味がない。だから、人を取るのか、仕組みを取るのかが現実的な悩みです。
【岡本】:増えれば増えるほど、属人的だと詰みますよね。
【別當】:まさに。大手のやり方を、中小企業に落とし込むイメージです。紙ベースのところを工夫して、誰でもできるように細分化する。さらに言えば、外注の外注もできるような仕事の作り方にしたい。

 

後継者が感じるプレッシャーは「歴史」と「お客様」


【岡本】:後継者としてプレッシャーはありますか?
【別當】:あります。何に感じるかというと、会社の歴史ですね。60年以上続いて、今までのお客様もいる。下手なことはできないという気持ちが出てきました。
【岡本】:でも、同時に変化も必要ですよね。
【別當】:そうですね。同じことを続けるだけで生き残れる時代でもない。だから「どう企業を変えていくか」は楽しみでもあります。

 

「継ぐ」と決める前に、後継者が考えるべきこと


【岡本】:最後に、同じ立場の“承継候補者”へメッセージをお願いします。
【別當】:僕も昔は「何を継ぐのか」なんて考えたことなかったんです。でも、やっぱり先代(今の社長)の想いは大事にした方がいいと思います。事業内容は時代で変わるけど、想いの部分は承継の核になる。それと、もう一つ強く思うのは、仲間づくりが大事だということです。同友会でも、同じ世代で同じ悩みを持つ人とつながって話せることが、すごく助けになりました。どの団体でもいいと思うんですけど、一人で抱えないことですね。

 

編集後記(岡本より)
事業承継は「税」や「株」の話だと思われがちですが、現場ではもっと根っこに、
“何を継ぐのか”
という問いがあります。
事業は変えていい。変えなければ生き残れない時代です。
でも、お客様への姿勢や会社の歴史に対する敬意は、後継者の中に残っていく。
承継候補者の方がもし今、迷っているなら。
「継ぐ/継がない」の前に、まずは一度、
“何を継ぐのか”を言語化する時間を取ってみてください。

最後になりましたが、㈱熊本経営コンサルタント別當様 貴重なお時間をいただきありがとうございました。
現社長であるお母様とのコミュニケーションを普段からしっかりと取られており、事業承継に大切な要素となる先代と後継者の相互の信頼を感じました。
今後の株式会社熊本経営コンサルタント様の事業承継の成功と、その先の永続的な発展を御祈念いたします。

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